本物に負けない偽物

私は今、コンピューターを使って「特殊オペラ」の音源制作を進めています。ただ、現時点でのテクノロジーおよび私のコンピューター関連の知識では、生音と区別がつかないような音を出すことは出来ません。しかし、生音と区別がつかない音を制作する事を目的とするのではなく、聴き終えたあと「もう一度聴きたいな」と思えるような音や「イベントで使ってみようかな」と思えるようなクウォリティーは保持させたい。それを当面の目標としたい(あくまでも当面であります)。


 ”本物”という言葉をよく見聞きします。確かに”本物”の良さはある。しかし、何かの事情で自分が本物ではないという事をどうしても自覚せざるを得ないのであれば、”本物”に負けない”偽物”になればいい。詐欺や迷惑行為でなければ”偽物”でもかまわないのではないでしょうか。「アニメ」もそもそも”偽物”ですが、今や実写と同等またはそれ以上の内容があると思われます。それでいいと思います。 私の「特殊オペラ」にとって定めてある要素は楽譜と原作物語のみです。それをどのような形態で具現化するのかという方法については定めていません。複合芸術であり、そして、犯罪や迷惑行為でなければそれこそ何でもありです。この具現化計画が完成(完了)することはありません。存在するのは過程あるいは現象であって、終着点はありません。


補足:

”本物”以上の努力をしなければ良い”偽物”が出来ない場合もあるでしょう。それもなかなか良い事かも知れません。


Mastin Fantasia

作曲家 水野 真人 ウェブサイト Composer Masato MIZUNO Website (リンクはご自由にどうぞ)